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家紋デザインを軸に、瀟洒なホテルの世界観を表現。
2022.03.29
LIFE「デザインとしての家紋」をコンセプトに、企業のロゴデザインやブランドとのコラボレーション、アート作品の製作など、ジャンルを超えて家紋の可能性を広げ続けている京源。2021年秋に京都に開業した、数寄屋造りでわずか4室のラグジュアリーホテル『眞松庵』では、ロゴを始めグラフィックデザイン全般を手がけている。
ロゴとなるホテルの家紋の、花が開いたようなデザインは、眞・松それぞれの頭文字である「S」を組み合わせ、陰と陽で「4室の和と洋の融合」を表したもの。さらに右回転で八方向に広がる形には、色々な街から訪れてほしいという願いを込めた。
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「シンプルな形の中にさまざまな想いを詰め込むという家紋らしさに、ロゴ的なデザイン要素を掛け合わせました」と、京源三代目の波戸場承龍氏と息子の耀次氏は語る。ロゴの背後に広がる円の連なりは、作図過程のすべての線の軌跡を残したもの。円と直線のみで構成される家紋の美しさを再認識させる、「紋曼荼羅」と呼ばれるオリジナルの技法だ。重なり合う極細の曼荼羅線を、ホテルカードという小さな紙の中に表現するまでには何度も試行錯誤を繰り返した。高い技術を誇る印刷会社や箔押し業者の協力により、0.08pt(1pt=0.35mm)という微細な線と2色の箔押しがぴったり重なる仕上がりに。眞松庵が大切にする古くから受け継がれている日本人の美意識を象徴する、品格が香り立つカードとなった。
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さらにインフォメーションブックでは、ホテルの古地図の制作と掲載も依頼され、明治期の地図を元に1ヶ月を費やして完成。京源ならではの繊細な線の表現と質感にこだわった。ほかにも、アメニティや印刷物全般に携わり、ホテルの世界観を宿泊客に楽しんでもらえるよう心がけたという。
「とてもワクワクする仕事でした。これは自分たちのものづくりで常に心がけていることで、その熱意が相手にも伝わり、さらなるアイデアにもつながります。今後も、国内外問わず、家紋をもっと身近なものにしていきたいと思っています」
眞松庵 公式website / www.shinsho-an.com
(2022年4月より完全紹介制)
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