「本枯鰹節」のだし文化を、日本の味から世界の味へ
日本の食文化に欠かせない「だし」は近年、世界的にも注目される存在。300年以上にわたり鰹節を通じた“だし文化”を伝承しているのが、日本橋を拠点とするにんべんだ。鰹節の商いを始めたのは元禄12年(1699年)。江戸時代後期から明治時代にかけて製法が確立した「本枯鰹節」を軸とした商品展開で、品質へのこだわりを守り続けている。
「本枯鰹節」とは、半年もの時をかけて熟成させる最上級の鰹節。一般的に流通している削り節の多くは鰹を燻して乾燥させた「荒節」であり、荒節にカビ付けと天日干しを繰り返して発酵・熟成させる本枯鰹節は、芳醇な香りと深いコクが特徴だ。産地や鰹節職人と連携しつつ、にんべんとして厳しい選別をしたものをお客様にお届けしている。
高品質な鰹節を多くの人に味わってもらいたいという思いから、自社の技術を惜しげなく業界に公開してきたことも、にんべんの大きな貢献だ。安定して品質を保つことのできるカビの情報と技術の公開は、鰹節業界全体の質の底上げにつながった。また、削りたての鰹節の新鮮さを保つ「フレッシュパック」製法の公開は、うまみ調味料の台頭で低迷していた鰹節の需要を大きく回復させた。
現在は、鰹節や削り節はもちろん、だしを使ったつゆや調味料、汁物、菓子など、幅広い商品を展開。だしをより身近に感じてほしいと、体験型店舗も充実させている。鰹節削り体験や、だしを使った料理のテイクアウトに加え、ドリンクとして楽しめる一杯※150円のだしが人気だ。さらに、レストランや惣菜・弁当店など、新業態の店舗でもだしを味わう場を提供。海外の日本食レストランの増加に伴い、だしパックやつゆの素の需要も増加している。日本の味を世界の味へと広めていくことを目指して、にんべんの挑戦は続く。
※2023年10月より価格を変更しております。