中むら

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暖簾を通じて日本の職人わざを世界に

暖簾は紋や屋号を大きく染め、日本の店舗のファサードに掲げられてきたアイコニックなアイテムだ。弥生時代に日除けやチリ避けとして用いられたのが起源だと考えられており、日本の文化を語る上では欠かすことのできない存在といえる。暖簾にはその店の屋号や紋、歴史などがデザインとして染められることが多く、日本の屋外広告の走りともいえる。現在でも有名百貨店からレストランまで、多くの店舗が暖簾を軒先に掲げている。

江戸時代からその形や機能が大きく変わっていない暖簾をモダナイズし、高いデザイン性の暖簾を製作しているのが、中むらの暖簾だ。1923年創業の中むらは、着物の手入れに関わる各工程などを取り仕切るコーディネーターの“悉皆屋”として、職人たちと長年密接に関わってきた知識と経験を生かし、2014年からは暖簾のプロデュースを行っている。中むらは企画段階から関わり、クライアントの暖簾に最適な表現ができる染色技法の提案からさまざまな素材提案、紋やグラフィック等のデザイン要素すべてを総合的にプロデュースすることで、伝統的な暖簾に新たな息吹を与えている。

職人たちが代々受け継いできた素晴らしい技術やノウハウは、効率化や大量生産が求められる現代社会においては、ただ存続させるだけでも一苦労だ。常に変化していく時代の中で、その時代に求められる新しい価値を生み出すことが、職人たちの仕事をサスティナブルなものにする上では最善の手段。いつの時代も、その役割を担ってきたのが、中むらのようなクリエイティブなアイデアを持ったプロデューサーなのだ。