東京生薬協会

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セルフメディケーションに活かしたい、生薬のチカラ

鎮痛などの効能があるシャクヤク、消炎や解毒作用で知られるカンゾウ、冷え性などの婦人病に用いられるトウキ ーー。古の時代から身近な薬として活用されてきた薬用植物が、健康志向への高まりとも相まって、いま改めて注目されている。1953年の設立以来、薬用植物を使った生薬の確保と振興を図る活動を行っているのが、東京生薬協会だ。

多岐にわたる活動のひとつが、薬用植物の栽培事業。秋田県を始め全国5拠点で、確かなトレーサビリティを備えた国内産生薬の確保のための事業を推進。また、生薬や薬用植物に携わる人材育成のために、「薬用植物指導員」の認定を行い、フォローアップ研修も定期的に実施している。

そして、イベントなどを通じて広く一般的に働きかけているのが、生薬や薬用植物の重要性や意義を伝える普及啓発活動だ。たとえば、協会が管理業務を受託している小平市の薬用植物園で毎月、開催されているのが薬草教室の講座。身近で見られる薬草や薬木について触れ、その効能やどんな薬に配合されるのかなどを分かりやすく紹介している。薬用植物園では、春と秋の年2回、薬草観察会も実施。自然の中で季節の薬用植物を見ながら、協会の学術委員が参加者からの質問に答える場となっている。秋には、その年の薬草の収穫に感謝する会も開催され、園内の観察会や記念講演など、多彩な催しで園内が賑わう。

セルフメディケーションが推奨される昨今、協会ではOTC医薬品(市販薬)普及啓発イベントにも力を入れている。日常の予防や健康管理の大切さを伝えるとともに、OTC医薬品に活用されている生薬や正しい使い方への理解を深めてもらうのが目的だという。生薬や薬用植物について知ることが、セルフメディケーションに果たす役割は、決して小さくないはずだ。

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