数々の歴史ロマンに思いを馳せる「江戸木版画」。そこには直接手に取った者にしか味わえない魅力がある

数々の歴史ロマンに思いを馳せる「江戸木版画」。そこには直接手に取った者にしか味わえない魅力がある

江戸時代、“旬”を写し出す情報誌として、庶民に寄り添いながら発展してきた浮世絵版画。江戸木版画は雑誌カルチャーの生みの親でもあり、素材や技術、表現のすべてが日本ならではのもの。印刷技術のルーツともいわれる木版画が現代に伝えたいこととは

数々の歴史ロマンに思いを馳せる「江戸木版画」。そこには直接手に取った者にしか味わえない魅力がある

世界の名作童話を、伝統手摺木版画で絵巻物として再現する「E・M A・K Iプロジェクト」。小さな子供でも江戸木版画の文化に親しんでほしいという高橋工房の思いが詰まった作品。

江戸木版画とは、各分野の職人が繰り広げる高度な技術の結晶

“無くてはならないもの”として当時の人々に親しまれた江戸木版画。下絵を描く「絵師」、板木を彫り上げる「彫師」、色を摺り重ね作品に仕上げる「摺師」の三者の職人に加え、作品を企画・統括するいわゆる出版社の役割を持つ「版元」の四者が揃って初めて成り立つ日本独自の総合芸術。その発展の陰には、江戸の天才浮世絵師たちの活躍だけでなく、職人たちのたゆまぬ努力があった。

江戸木版画独特の素材・技術・表現は普遍である

浮世絵版画の最大の魅力は、多色摺りならではの鮮やかな発色にある。全て手工で、多い時は20回から30回もの摺りが正確に重ねられ表現される独特な色調は圧巻だ。それだけでなく、こだわり抜いた和紙の肌触りや風合い、手摺木版画ならではの温かみも他の版画技法では出せない特徴である。江戸木版画の文化を、当時と変わらぬ技術で今も継承し続ける高橋工房。現代のニーズに合わせて変化しながらも、変わらず大事にしていることがあるそう。「現代の皆さんにも気軽に江戸木版画の文化を楽しんでいただきたいという思いから、これまでさまざまなグッズを手がけてきました。しかし浮世絵の絵であれば素材はなんでも良いという訳ではありません。出来る限り木版画の技術を用いて、江戸木版画独自の魅力や手触りなどを体感していただける物づくりを心掛けています」。絵を通して、当時の暮らしや息吹を身近に感じることが出来る浮世絵版画。版画に込められた絵師や職人の思い、そして素材から伝わる温かさ全てが揃うからこそ、時代を経てもなお支持される文化となる。高橋工房のそんな思いを感じるプロダクトの一つ、「江戸木版画ブローチ」を紹介する。

数々の歴史ロマンに思いを馳せる「江戸木版画」。そこには直接手に取った者にしか味わえない魅力がある

高橋工房 オンラインショップ 「江戸木版画ブローチ 」1,430円(税込)

斬新にも浮世絵版画の一部が切り取られ、思わずコレクションしたくなるような可愛らしいブローチ。色ムラや原画と色味の異なるものなど、正規品からはじかれた「ヤレ」と呼ばれるものを再活用して作られたそう。高橋工房の新たな試みでもある『Y A R E(ヤレ)』シリーズから、今後、どのような魅力的なプロダクトが生み出されるのか、楽しみにしていて欲しい。


江戸東京リシンク展|江戸木版画 高橋工房
https://edotokyorethink.metro.tokyo.lg.jp/exhibitor_7.html

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