小町紅 伊勢半本店小町紅 伊勢半本店

小町紅 伊勢半本店

【洋館2階・客室】 現代美術家 舘鼻則孝 × 小町紅 伊勢半本店

小町紅 伊勢半本店

日本に残る唯一の紅屋として、江戸時代から紅の製造・販売を行なっている「伊勢半本店」。

紅の原料となるのは、紅花の花弁から抽出される赤色色素であり、花弁における赤色色素含量比率はわずか1%程度であり、希少性が高い。

玉虫色の輝きは良質な紅の証であり、江戸時代後期には、紅を唇に塗り重ねて緑色に輝かせる「笹紅」と呼ばれる化粧法が流行したと伝えられている。

より美しい玉虫色の輝きを求め、磨かれてきた紅づくりの技は、今日まで受け継がれており、門外不出の秘伝となっている。

小町紅 伊勢半本店
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コラボレーション作品に活用した紅は、染料として使用する際には「赤い色」をしているが、革に染めつけた後、表面が乾いていくと同時に「玉虫色」に発色。

紅を革に染め付けるための下地の色味や染料の濃度など、幾度も試作を重ねたうえで、玉虫色に輝くヒールレスシューズが完成した。

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紅猪口
紅専用の器。紅花の花弁に含まれる赤色色素のことを「紅」といい、これを抽出し、化粧料として提供するときは、猪口や皿・碗などの内側に塗りつけて販売した。

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錦絵
文化・文政期(1804〜1830年)、玉虫色に輝く上質な紅を下唇に塗り重ねて笹色に粧う「笹紅」という化粧法が流行した。庶民には真似しづらいものだったため、下地に墨を塗り、その上に少量の紅を点すことで笹色に似せて見せる裏技も生まれたという。

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原材料 紅餅
紅花の花弁を発酵させて赤色色素を増やすとともに、保存性を高めるために煎餅状に成形乾燥させたもの。

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小町紅
玉虫色部分を水を含ませた筆で溶くと赤色に変色し、口紅、チーク、アイシャドウなどに用いられる。代々伝わる秘伝の製法でつくられている。

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疱瘡絵
病魔を払う呪具の一種である疱瘡絵。病人の寝床に立てた枕屏風の内側に貼って過ごし、病後は厄払いのため処分することが一般的だった。天明期(1781〜1788年)には、疱瘡見舞品の定番として認識されており、絵草紙屋で扱った。

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小町紅 伊勢半本店(こまちべに・いせはんほんてん)
1825年に紅を製造・販売する紅屋として創業。門外不出とされた秘伝の製法から作られる玉虫色の紅は、世界で唯一、江戸時代の製法そのままに作り続けられている。現在は小町紅などの本紅化粧品のほかに食紅、絵具の製造なども行っている。

Photo by GION


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