デザインやアートとして家紋の新たな価値を発信する京源。彼らが考えるリシンクの源は“好奇心”“遊び心”

デザインやアートとして家紋の新たな価値を発信する京源。彼らが考えるリシンクの源は“好奇心”“遊び心”

平安期から江戸期にかけて、家紋としてだけでなく、庶民のカルチャーやファッションの一部としても発展し、幅広く親しまれてきた家紋。「運気向上」や「子孫繁栄」など、さまざまな想いが込められている日本特有の“美章”。京源の波戸場承龍氏と耀次氏は紋章上繪師として、新たな発想で家紋を現代・未来へと継承している。

デザインやアートとして家紋の新たな価値を発信する京源。彼らが考えるリシンクの源は“好奇心”“遊び心”
デザインやアートとして家紋の新たな価値を発信する京源。彼らが考えるリシンクの源は“好奇心”“遊び心”
デザインやアートとして家紋の新たな価値を発信する京源。彼らが考えるリシンクの源は“好奇心”“遊び心”

見る方向によって2つの家紋が表現される、京源のアイデアが際立つ作品だ。

デザインやアートとして家紋の新たな価値を発信する京源。彼らが考えるリシンクの源は“好奇心”“遊び心”

とてもエネルギッシュに今後のビジョンを語る波戸場耀次氏。

家紋を“デザイン”として表現することで、新たな可能性を見出した

京源の活動は、今や小さな子供から大人まで幅広い世代に注目をされるようになったそう。「デジタルツールを使用してデザインするようになってから、流れが変わったように思います。さまざまなクリエイターから声がかかり、コラボレーションすることで一気に活動の幅が広がりました。新たな可能性を知る刺激になり、家紋の持つ“力”の偉大さを改めて感じることができました。今後はアートとしての展開も視野に入れているのですが、今回の展覧会はそういった点で非常に影響を受けました。舘鼻さんの作品は、どれも伝統産業の新しい側面がうまく表現されていて圧倒されましたね」と耀次氏は言う。千年もの間、家紋はその概念や手法において形を変えることなく受け継がれてきた。その理由のひとつに“日本独特のデザイン性”があると推察する。奥深く謎めいたその形に、人々が魅了されてきたからこそ、時代を超えて大事に守り継がれてきたのであろう。そこに着目し、進化させることが未来への鍵でもあり、京源にとってのリシンクなのだと感じた。さまざまな資料からアートにチャレンジした作品など、「江戸東京リシンク展」でも感じられると思う。

デザインやアートとして家紋の新たな価値を発信する京源。彼らが考えるリシンクの源は“好奇心”“遊び心”

京源が表現する家紋の美しさに注目して、今展覧会を楽しんでほしい。

デザインやアートとして家紋の新たな価値を発信する京源。彼らが考えるリシンクの源は“好奇心”“遊び心”

波戸場承龍氏は遊び心溢れる発想の持ち主。

「どう表現すれば驚いてもらえるか」をベースに常に挑戦している

「新しいことが大好きなので、常に挑戦したいという想いで日々活動しています」と語る波戸場承龍氏。これまでもさまざまなジャンルとのコラボレーションを遂げてきた京源は、常に未来を見ている。今後のビジョンの中には、伝統産業とは真逆の世界とも思える先進技術を活用した表現方法もあり、好奇心溢れる活動に話題は尽きない。作り手と伝え手、どちらの側面からもいきいきとしている姿は作品に通じるものがある。“生み出した人の顔が思い浮かぶ”、それもまた伝統産業ならではの魅力ではないだろうか。京源が生み出す、現代ならではの家紋の姿に今から期待が膨らむ。



江戸東京リシンク展|紋章上繪 京源
https://edotokyorethink.metro.tokyo.lg.jp/exhibitor_5.html

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