セカンドブランド「あめやえいたろう」のブランドサイト開設、そこに込められた思いとは?
2020.07.31
FOOD1粒のなかにストーリーがある。それが榮太棲總本鋪のセカンドブランド「あめやえいたろう」の飴だ。
例えば、リップグロス状の飴「スイートリップ」。斬新なアイデアに思えるが、江戸から明治の頃、上方の人が贔屓の芸妓や舞妓への東京土産として『榮太棲總本鋪』の梅ぼ志飴を買って帰った、というエピソードが隠れている。京都の舞妓たちの間で、この飴を溶かして唇に塗るのが流行していたのだ。
こうしたエピソードは、商品を手にした人々の会話を弾ませることだろう。
今年開設した公式ブランドサイトでは、商品紹介だけでなく、例えば材料となる果物の産地にスタッフが足を運び、レポートしている。飴へのあふれんばかりの愛と情熱が伝わってきて、読み応えがある。
砂糖と水あめという、ごくシンプルな材料を基本に、意外性のある飴を生み出す「あめやえいたろう」。けれどもこのブランドが広げようとしているのは、飴だけではない。1粒の飴が口の中で溶けきるまでのいっとき、人の心をどこまで広げられるか。
「今は外出を控えている方も多いでしょう。少しでも気分を上げるアイテムとして飴を使っていただけたら」(商品企画開発部・蟹江浩一さん)
160年間、飴を通して人々に喜びを与えてきた老舗の心意気を感じたい。