華硝

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手で磨き上げられる美しき紋様

江戸切子の店華硝では、江戸切子の工房の中では比較的多い13名のスタッフを抱えている。外注のデザイナーやコンサルタントはつけず、作品のデザイン、制作、営業なども含め、すべて自社スタッフが行なっている。さらに伝統的な紋様だけでなく、独自に考案した紋様を数多く発信している点が、華硝の大きな特徴といえる。ほかの工房の江戸切子とは比べものにならないほど緻密な「糸菊つなぎ」や、自動車メーカーのCMや洞爺湖サミットの際に国賓への贈呈品に採用された「米つなぎ」は、その代表だ。

オリジナルの紋様以外にも、華硝の江戸切子を特徴づける要素がある。それは全行程が手作業であることだ。現在ほとんどの工房では磨きの工程で硫酸・フッ化水素などを使用した「酸磨き」が採用されているが、華硝ではすべての江戸切子を手磨きで仕上げているのだという。

華硝の江戸切子がオリジナリティに溢れ、モダンな存在感を放つ理由は、華硝の職人たちを見ればわかる。深刻な高齢化と後継者不足に悩む伝統工芸業界において、華硝の職人はそのほとんどが20代から40代までが中心だ。一番の年長者である熊倉会長を囲んで和気あいあいと作業を進める姿は、常に活気に溢れている。さらに2010年には日本の硝子文化のさらなる発展のために、職人が主宰する日本初の江戸切子スクール「HANASHYO’S」を開講。体験コースから職人育成コースまで細分化されたコースを設けて、若い世代に江戸切子の技術を継承することに力を注いでいる。江戸切子の未来のために必要なのは、モダンな美意識と、それをもたらす若い世代の職人たちなのだ。