Carré MOJI
(キャレモジ)

Carré MOJI
(キャレモジ)

Carré MOJI<br>(キャレモジ)Carré MOJI<br>(キャレモジ)

伝統文化の書道を、インテリアアートへと昇華

日本人の暮らしが西洋化し、和風建築が減少しているいま、床の間に掛け軸を飾るといった昔ながらのしつらえは馴染みが薄くなっている。日本の伝統文化である書道も、日常の空間で目にすることはめっきり少なくなってしまった。だが、書の伝統のDNAに現代の感性やデザインを加えれば、モダンな空間にもフィットするインテリアアートになるのではないか。そうした思いから、2002年にプロデューサーの植野文隆さんが創設したのがキャレモジ(Carré MOJI)。フランス語で「心地のよい中庭」の意味をもつ“Carré”と、日本語の「文字」を組み合わせた造語で、「文字のある心地よい空間」を創り、新たな日本の文化として世界に発信したいという思いを込めた。

飾ることや眺めることを目的として、視覚と文字の意味の両面から見る人の感性を刺激する。余白を最大限に活かした表現により、作品から醸し出される風景や情景がいっそう広がっていく。そんなキャレモジのコンセプトを具現化するのは、国内外で活躍する十数名の書家たち。すべてがオリジナルの1点ものであり、文字や飾る場所に合わせた額装を施している。ラグジュアリーホテルや高級旅館、レストランなどからのオーダーメイドの制作依頼も多く、「アートが入ることで空間に命が吹き込まれた」という声も少なくない。

キャレモジの作品は、さまざまな空間に合うようバリエーションが豊富だ。中心となるのは、漢字やかなの作品。漢字は象形文字から成り立ったものも多く、一文字から広がる景色を絵のような感覚で楽しむこともできる。英字作品は、書道の線質を用いて美しい曲線をスタイリッシュに表現できるのが魅力だ。さらに表現を抽象化したのが、「モジフィック」や「スミフィック」。モジフィックは、文字をベースにしたグラフィカルな表現方法の作品で、スミフィックは書の線と墨の関係性を基にしつつも、自由に創造性を羽ばたかせた作品。墨絵も一般的なものとは異なり、インテリア性を意識したキャレモジならではの抽象作品だ。現在は、東京をテーマにした書を東京の伝統工芸品を使って額装する「東京シリーズ」や、海外に向けた掛軸作品などの新商品も開発中。書の奥深さをインテリアアートに昇華するキャレモジの試みは、今後ますます広がっていくはずだ。

Carré MOJI<br>(キャレモジ)Carré MOJI<br>(キャレモジ)