007が差しても似合う、紳士にふさわしいビニール傘を007が差しても似合う、紳士にふさわしいビニール傘を

007が差しても似合う、紳士にふさわしいビニール傘を

「従来の男性用ワンタッチビニール傘は、安物というイメージがありました。ですから、フォーマルなスーツにも似合うもの、例えるならジェームズ・ボンドが差しても恥ずかしくない傘をつくりたいと思ったのです」

 こう語るのは、60年前に世界初のビニール傘を開発したホワイトローズの10代目・須藤宰さん。クラウドファウンディングでも支持を集め、2021年に誕生したのがスタイリッシュな「MI7(エムアイセブン)」だ。まず目を惹くのが、高級感あふれる天然木使い。中棒に白樺、手元に椿が使われており、使い続けるにつれ手に馴染み、経年変化の味わいも楽しめる。

 もともとホワイトローズでは、使い捨ての安価なビニール傘とは一線を画し、機能性にこだわったものづくりを行っている。たとえば、特許を取得している「逆支弁」の構造。ビニール生地の重ね口に、内側からの風を吹き抜けさせつつ、外側からの雨は入らないような弁が設けられている。そのため、強風時にも傘がひっくり返りにくいと好評だ。丈夫で弾力性のあるグラスファイバー製の骨も、しなることで風を受け流す役目を果たす。

また、手元部分は、傘を差したとき手に負担がかからないよう、傘の重量バランスを考慮して大きさや重さを決めている。さらに、ビニール傘最大の特徴である「透明感」を、視界が良好になる安全性と捉えて素材にこだわり、濡れてもくっつきにくく撥水性にすぐれた3枚重ねの特殊フィルムを採用している。

007が差しても似合う、紳士にふさわしいビニール傘を

これらの機能性は、MI7を始めホワイトローズのほぼすべての傘に備わっており、「空から降ってくる雨や雪から人間を守る道具であると同時に、愛着をもって長く使っていただけるものでありたい」と、ビニール生地を含めすべてのパーツが修理可能なものづくりを徹底している。直しながら大切に使うことで、10年以上は長持ちするはずだと須藤さんは太鼓判を押す。

「ものを使い捨てにせず、修理して大切に使うことは、日本では江戸の昔から当たり前の文化でした。現代のSDGsの視点からも、わたしたちのものづくりの姿勢を崩さず、持続可能な消費や生産、環境づくりといった面で貢献していきたいと思っています」

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