雨の日が待ち遠しくなる、透明な折り畳み傘雨の日が待ち遠しくなる、透明な折り畳み傘

雨の日が待ち遠しくなる、透明な折り畳み傘

ありそうでなかった、ビニールの透明な折り畳み傘。3年もの開発期間を経て2019年に販売を開始し、大きな支持を集めているのが、60年前に世界で初めてビニール傘を開発して以来、機能性にこだわったものづくりを続けるホワイトローズだ。
「10年ほど前から、全国の百貨店でイベント販売を行っていますが、行く先々でお客様にビニールの折り畳み傘はないかと尋ねられ、要望の大きさを実感しました」と語るのは、10代目社長を務める須藤宰さん。

開発を進める中で、大きなハードルが2つあったという。ひとつは、ビニール生地と骨との接点をどう丈夫に保つかということ。折り畳み傘は、ひとつの親骨に対して生地との接点が2〜3箇所は必要だが、布製の生地と違ってビニールは針と糸が使えない。試行錯誤の末、透明なテグスを使い、高周波ウェルダー加工という熱処理を施して生地と溶着させることに成功した。もうひとつは、畳む際の折り線をつけること。傘をきれいに畳むためには、折り線がきっちり付いていなくてはならないが、そもそもビニールは折り線が残らないように開発された素材。こちらも、高周波ウェルダー加工を使う方法で、エンボスラインの折り線を付け、きれいに畳めるようにした。

雨の日が待ち遠しくなる、透明な折り畳み傘
開発に着手してから3年、アメマチに込めたこだわりを語る須藤宰さん

こうして製品化されると、待ち望んでいた傘ができたとユーザーから大好評。「雨の日が待ち遠しくなりました」という声から、「アメマチ」という商品名が生まれた。ホワイトローズの他商品同様、強風時にも傘がひっくり返りにくい「逆支弁構造」、丈夫で弾力性のあるグラスファイバー製の骨、透明感が高く撥水性に優れた特殊フィルムのビニールといったこだわりを備えた傘だ。さらに、手元を持ちやすい曲がり手元に変えられるオプションを備え、畳んだ時と長くした時の両方に対応できる傘袋が付属するといった、細やかな配慮が光る。「当社の商品は、売るための傘ではなく、使っていただくための傘というのがポリシー。使い始めから使い終わりまでのシーンを想定したものづくりを大事にしています」という須藤さんの言葉に頷かされる。今後は、より使いやすく持ち運びやすいコンパクトなバージョンも検討中とのこと、ますます雨の日が楽しみになりそうだ。

雨の日が待ち遠しくなる、透明な折り畳み傘
雨の日が待ち遠しくなる、透明な折り畳み傘
左:折りたたみビニール傘「アメマチ58」4色展開で、手元から先端までの長さが50cmのショートタイプと58cmのロングタイプがある。
右:傘に合わせたカラーの傘袋が付いているので、雨が止んでも持ち運び楽々。