【江戸東京リシンク展】旧岩崎邸庭園:ユニークベニューにおける展示デザイン【江戸東京リシンク展】旧岩崎邸庭園:ユニークベニューにおける展示デザイン

【江戸東京リシンク展】旧岩崎邸庭園:ユニークベニューにおける展示デザイン

【江戸東京リシンク展】旧岩崎邸庭園:ユニークベニューにおける展示デザイン

1896(明治29)年に建てられ、現在は国の重要文化財に指定されている「旧岩崎邸庭園」。設計を担当したロンドン生まれの建築家・ジョサイア・コンドルは、旧岩崎邸庭園の他にも、鹿鳴館、ニコライ堂、三菱一号館などを手がけており、「日本近代建築の父」と呼ばれている人物だ。

江戸東京リシンク展は洋館を中心に作品展示を行なっているが、広大な敷地内には、洋館、和館に加え、洋館と地下通路でつながる撞球室(ビリヤード場)も併設されている。

幕末の開国、そして明治維新を経て現代まで、外国文化を取り入れ、文化的に独自の編集を加え、発展を遂げてきた日本。その意味合いにおいても、旧岩崎邸庭園は、明治の息吹を今に伝える重要な文化財と言える。

【江戸東京リシンク展】旧岩崎邸庭園:ユニークベニューにおける展示デザイン

展覧会における展示構成を考えるうえで重要なのは、その空間と展示物のリレーションだ。午前と午後、また夕方では光の状況も全く異なり、それらの要素はこのような建築で展示をする際、非常に重要な判断材料となる。

例えば、朝の光が美しいサンルームには「江戸切子 華硝」の作品を。
また、「和太鼓 宮本卯之助商店」は、展示物の神輿に後光が差すように1階の婦人客室に展示。和館には、「東京くみひも 龍工房」の作品を展示し、建設当時に描かれた板絵と作品を掛け合わせるなど、空間と展示物の有する魅力がより一層際立つようにと決められていく。

【江戸東京リシンク展】旧岩崎邸庭園:ユニークベニューにおける展示デザイン

館内の魅力の最たるものは、洋館の随所に見られる17世紀英国で流行したジャコビアン様式を基調とし、複数の様式を織り交ぜながらデザインされた装飾だ。1階ホールの大階段部分に施された花模様の装飾、植物文様の飾り柱、イスラム風の玄関タイル、ステンドグラスなどが来館者を出迎えてくれる。

また、金唐革紙の壁紙が復元された2階客室は、当時の様式を今に伝える貴重な要素であり、工芸的な魅力溢れる空間となっている。
金唐革紙は、ヨーロッパの金唐革から着想を得た日本人が和紙を使用して生み出したものであり、日本独自の工芸品と言える。

Photo: GION

※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、十分な感染対策を講じて取材を行なっております。



オンライン開催概要
【展覧会名】 江戸東京リシンク展 -旧岩崎邸庭園で見るアートが紡ぐ伝統産業の未来-
【展覧会サイト】 https://edotokyokirari.jp/exhibition/
【主  催】 東京都・江戸東京きらりプロジェクト
【共  催】 公益財団法人東京都公園協会

【江戸東京リシンク展】旧岩崎邸庭園:ユニークベニューにおける展示デザイン