【江戸東京リシンク展】金唐紙研究所 × 舘鼻則孝
2022.03.31
LIFE「金唐革紙」は、江戸時代にヨーロッパから渡ってきた「金唐革」と呼ばれる装飾革を見た日本人が、和紙を使って模したことで生まれた。
明治期以降、海外に輸出されるほどの人気を博したが、次第に需要は減少し、昭和中頃には、製造技術も途絶えてしまったという。
その幻となってしまった技術の復元に尽力したのが、1985年に金唐紙研究所を設立した、国選定保存技術保持者の上田尚氏だ。
上田氏は、「旧岩崎邸庭園」や「旧日本郵船株式会社小樽支店」など、数多くの重要文化財の修復工事に携わると同時に、金唐革紙を用いた屏風などの作品制作にも取り組んでいる。
本展では、特別協力という形で参画した金唐紙研究所が、旧岩崎邸庭園洋館2階客室の壁紙を再制作し、現代美術家の舘鼻則孝氏がそれを用いてヒールレスシューズを制作することになった。
作品の上部には普段から舘鼻氏が使用しているエンボスのレザー、下側に金唐革紙を使用している。
ヨーロッパからもたらされた金唐革の要素を汲み取ったエンボスレザーの表情と、和紙を用いた金唐革紙の表情のコントラストによって、作品が内包する歴史の厚みを感じ取ることができる。
Photo: GION
※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、十分な感染対策を講じて取材を行なっております。
オンライン開催概要
【展覧会名】 江戸東京リシンク展 -旧岩崎邸庭園で見るアートが紡ぐ伝統産業の未来-
【展覧会サイト】 https://edotokyokirari.jp/exhibition/
【主 催】 東京都・江戸東京きらりプロジェクト
【共 催】 公益財団法人東京都公園協会