2019年秋、紅ミュージアムがリニューアル 南青山から発信する“紅”の魅力

2019年秋、紅ミュージアムがリニューアル 南青山から発信する“紅”の魅力

紅花の花弁にわずかに含まれる赤色色素を抽出して作られる、日本伝統の口紅である“紅”。創業194年の歴史を持つ伊勢半本店は、日本で唯一の紅屋となった今日においても、江戸時代から続く伝統の製法を頑なに守り、いまに伝えている。ただし、門外不出とされ、口伝で受け継がれてきた秘伝の製法を体得しているのは、現在では七代目当主とわずかに2名の職人のみ。伊勢半本店は紅の歴史や文化、紅作りの技、さらには紅ならではの魅力を後世にも広く伝えていくために、2005年に東京の南青山に「伊勢半本店 紅資料館」を設立した。それから14年の月日が流れ、海外からの来訪者も日に日に増え続けているこの2019年の秋、大幅なアップデートを加えた新しい「紅ミュージアム」が誕生する。

紅ミュージアムは、世界有数のファッションエリア、表参道を走る“骨董通り”にある。近年ますます活性化が進み、ファッション、美容、食、アートなど、最先端のカルチャーと伝統文化が交錯しながら独自の発展を続けているこの街は、紅の存在を国内外に発信するには最適なエリアと言える。

11月2日にリニューアルする紅ミュージアムは、展示内容だけでなく、これまで使っていたクラシックな漢字のロゴも刷新。外観や内観のイメージも明るくモダンに変化している。展示は、紅の製造工程や紅にまつわる習俗、江戸の化粧史など以前の内容を含みつつも、精巧に作られたジオラマや動画を交えながら、展示をより直感的に楽しめる内容へと進化を遂げた。日本伝統の紅から舶来のルージュの影響を受けて進化していく国産化粧品の近現代の化粧史も、当時の広告ビジュアルなどをコラージュしたパネルでポップに表現している。場内で展示されている内容以外にも、来場者が自由に操作できるタブレット端末には紅や化粧についてのさまざまな情報が用意され、年代を問わず楽しめる内容となっている。

伊勢半本店は、この紅ミュージアムのリニューアルと同時に、商品現行の「小町紅」の販売を終了し、新しいパッケージデザインとともに全面リニューアルを敢行する。5種7点のバリエーションで展開される新しい「小町紅」は、フレッシュな表情とともに紅の新たな魅力をアピールする。

流行り廃りの早い化粧文化のなかで、古代から現代まで脈々と受け継がれ、そしてなにより、いつの時代も人々に愛され続けてきた日本伝統の紅。南青山の情報発信地から世界に向けて、いま紅色が美しい波紋を描きながら広がっていく。