ふたりの手で分かち合う「体験」が、絆を深める結婚指輪。

ふたりの手で分かち合う「体験」が、絆を深める結婚指輪。

ふたりの手で分かち合う「体験」が、絆を深める結婚指輪。

一つにつながったふたつのリングを、カップルの手で分かち合うことで完成させる。ロマンティックな体験が人気の「つながるカタチ」は、杢目金屋を代表する結婚指輪のひとつだ。
 江戸時代の刀の鐔(つば)の装飾として生み出された「木目金」は、日本独自の金属加工技術。色の異なる金属を重ね合わせて創り出す木目状の文様を、現代のジュエリーに活かしているのが杢目金屋だ。
「もともと、当社の結婚指輪は1枚の木目金の板を分かち合っておふたりの指輪をつくっており、つながりが感じられると喜ばれていました。さらにおふたりの絆を感じていただくために生まれたのが、『つながるカタチ』なのです」と、同社代表の髙橋正樹さんはいう。
 一部がつながったままの形に仕上げられるのは、木目金の性質を知り尽くした職人技があってこそ。木目金の板を熱して柔らかくしてから少しずつ開いていくのだが、金属はそれぞれ融点が違うため一様にはいかない。「金属と対話しながら形づくっていくのは難しくもあり、ものづくりの醍醐味でもあります」と髙橋さん。カップルが指輪を分かち合った後は、つながっていた痕跡を残しながら滑らかにして仕上げるため、見るたびにつながりを思い起こさせてくれると好評だ。
ユーザー参加型の商品である「つながるカタチ」は、モノだけでなくコトの価値という時代のニーズに応えているところも特徴だ。
「まずは店舗で組み合わせる金属の種類やデザインを選んでいただき、制作途中に分かち合いのセレモニーを行い、最後に完成品を受け取りにくる。何度も立ち会うことで、お客様はモノを買うというよりものづくりに携わる感覚をお持ちになるようで、とても楽しんでいただけています」
さらに素材となる同じ金属の板から、結婚指輪だけではなく、ペンダントやカフスなど「特別なジュエリー」の仕立ても可能で、新郎新婦の両親や生まれてくる子どもへの記念品としても活用できる。

ふたりの手で分かち合う「体験」が、絆を深める結婚指輪。

 2015年の誕生以来、評判は高まり、今では同社の結婚指輪は、ほぼすべてこの「つながるカタチ」で注文されるようになった。グッドデザイン賞やドイツのreddot賞を始め、国内外の名だたる賞を受賞しているのも、伝統技術とデザインの融合という点のみならず、現代性を備えた“コト”の部分が評価されたからだろう。
 生きた技術を追求し続ける杢目金屋には、他業種からのコラボレーションの依頼も少なくない。2021年11月には、セイコーウォッチと2度目のタッグを組んだ、文字盤に木目金を使用したモデルが発売された。
「今後も現代性のある商品開発を続け、海外展開も積極的にしていきたい。海外とのオンライン接客も定着しています。Made in Tokyoのジュエリーブランドとして、誇れるものを発信していきたいです」

ふたりの手で分かち合う「体験」が、絆を深める結婚指輪。