【江戸東京きらりプロジェクト】和敬塾に進化し続ける東京ブランドが一堂に集結【江戸東京きらりプロジェクト】和敬塾に進化し続ける東京ブランドが一堂に集結

【江戸東京きらりプロジェクト】和敬塾に進化し続ける東京ブランドが一堂に集結

2025年3月7日(金)〜3月9日(日)の3日間、江戸東京きらりプロジェクトは「EDO TOKYO TIMELESS 展〜和敬塾で出会う、時代を超えて愛され続ける東京ブランド〜」を開催しました。東京が誇る老舗の名品や匠の技、食文化を“Timeless”という視点から再発見しようという本展覧会。会場となったのは、旧細川侯爵邸である和敬塾本館。東京都指定有形文化財(建造物)に指定されている歴史的建造物の趣深い空間に、伝統を守りながらも時代に即したものづくりを行ってきた、江戸東京きらりプロジェクトに参加する39の事業者が集結しました。

【江戸東京きらりプロジェクト】和敬塾に進化し続ける東京ブランドが一堂に集結
月に1、2回程度の一般公開日を除き、通常は敷地内に入れない和敬塾本館での展示が貴重な機会だと好評を得た。


本展の総合ディレクターを務めた歌代悟氏は、「 “Timeless”な価値をもつ東京ブランドは、伝統的に紡がれてきた不変の価値と、時代に寄り添いながら変化する柔軟性が共存し、社会、文化、そして人と、現在進行形で繋がり続けています。」と本展覧会のコンセプトを説明。その言葉の通り、会場は、衣食住という暮らしのシーンに沿ってエリア分けされ、各展示は“Timeless”のテーマに基づき、伝統と革新を対比する左右構成で展開されました。創業当初から受け継がれる看板商品や原点となる伝統技術・商品と、現代のライフスタイルに合わせて進化し続ける技術・商品を対比させた展示により、江戸東京きらりが掲げる“Old meets New”の理念が鮮やかに浮かび上がりました。

1階は「住(Life)」の展示。江戸切子や組子などの伝統工芸品から傘やタオルなどの日用品まで、今も昔も人々の暮らしを豊かに支える東京のものづくりの粋が伺えました。

【江戸東京きらりプロジェクト】和敬塾に進化し続ける東京ブランドが一堂に集結
左から:伝統的な江戸刷毛と現代の暮らしに即した洋服ブラシなどが対比された宇野刷毛ブラシ製作所の展示。よのや櫛舗のヘアアクセサリーは、洋服にも着物にも気軽に合わせられるデザインが特徴。


【江戸東京きらりプロジェクト】和敬塾に進化し続ける東京ブランドが一堂に集結
左から:鏡を太陽に見立てた壁掛け鏡「日の出」など、江戸組子を生かした多様な作品を展開する建松。江戸時代から変わらない技法で仕立てられる江戸団扇とシンプルな絵柄が特徴の江戸扇子を対比した伊場仙の展示。


2階は「衣(Fashion)」の展示。衣装やカバン、アクセサリーなど、多様な東京ブランドの美しさと機能性が紹介されました。

【江戸東京きらりプロジェクト】和敬塾に進化し続ける東京ブランドが一堂に集結
左から:組紐の技術を活かしたベルトは道明の人気商品のひとつ。反物から浴衣をあつらえるようにドレスに仕立てる竺仙の「CHIKUSEN dress」。


【江戸東京きらりプロジェクト】和敬塾に進化し続ける東京ブランドが一堂に集結
左から:かつて刀の鐔(つば)を彩った技術「木目金」をジュエリーに活かしている杢目金屋。江戸時代に一世を風靡した東京・青梅の特産品「青梅嶋」から作られる村田染工のストールやワンピース。


3階は「食(Food)」の展示。野菜や菓子、日本酒など、東京が誇る食文化を彩る名品の数々が並びました。

【江戸東京きらりプロジェクト】和敬塾に進化し続ける東京ブランドが一堂に集結
左から:佃煮の老舗、新橋玉木屋によるふりかけやあみバターは近年のヒット商品。豊島屋本店の「金婚」は明治神宮と神田明神に御神酒として納められている唯一の日本酒。


【江戸東京きらりプロジェクト】和敬塾に進化し続ける東京ブランドが一堂に集結
左から:山本海苔店の展示ではロングセラー商品「梅の花」や、お土産として人気の「東京プレミアムおつまみ海苔」などを紹介。江戸時代から受け継がれた種(固定種)で栽培されたまぼろしの江戸千住葱で作った葱善のねぎ味噌。


2階には、江戸東京きらりプロジェクトに参加する事業者と、パリ市が運営するデザイン産業インキュベーション施設BDMMA(Bureau du Design, de la Mode et des Métiers d‘Art)所属デザイナーとの共同制作品を展示する特別エリアも。このコラボレーションは、東京とパリとの連携事業として2021年に始動したもので、会場にはこれまでの作品の中から6点が展示されました。

【江戸東京きらりプロジェクト】和敬塾に進化し続ける東京ブランドが一堂に集結
美しいステンドグラスと壁紙が印象的なサンルームに、フランスのデザインからインスピレーションを受けて生まれたコラボ作品が並ぶ。


【江戸東京きらりプロジェクト】和敬塾に進化し続ける東京ブランドが一堂に集結
左から:伊場仙とJacques Avernaがコラボした十二支をモチーフにした扇子。華硝とPauline Androlusがコラボした花瓶。


さらに、会場では組紐や組子コースター製作など、さまざまなワークショップも開催されました。東京が誇る匠の技を実際に体験できるとあり、参加者はみな真剣に取り組みつつ、職人気分を味わいながら自分だけの作品づくりを楽しみました。

【江戸東京きらりプロジェクト】和敬塾に進化し続ける東京ブランドが一堂に集結
左から:内覧会での建松による組子コースターの製作体験風景。龍工房の組紐の実演も披露された。ワークショップでは、竺仙の浴衣生地を道明の組紐と組み上げる本展覧会ならではの企画も。


会期中は幅広い世代の人々で賑わい、和敬塾本館という歴史的な建造物と伝統的な技術や産品とのコラボレーションを楽しんだという感想や、伝統技術を生かしながらも現代に合わせた商品を生み出していることに対する驚きの声などがありました。東京ブランドのさらなる可能性を感じさせる展覧会となりました。