【中編】東京都江戸東京きらりプロジェクト・英国ヴィクトリア&アルバート博物館共催 アートイベント「Masterclass : Tokyo Crafts」を開催【中編】東京都江戸東京きらりプロジェクト・英国ヴィクトリア&アルバート博物館共催 アートイベント「Masterclass : Tokyo Crafts」を開催

【中編】東京都江戸東京きらりプロジェクト・英国ヴィクトリア&アルバート博物館共催 アートイベント「Masterclass : Tokyo Crafts」を開催

アートイベント「Masterclass: Tokyo Crafts」~レクチャー~

江戸東京きらりプロジェクトの推進委員を務めている現代美術家の舘鼻則孝です。

この度、東京都と英国ヴィクトリア&アルバート博物館(以下「V&A」という。)の共催で開催し、私がプロデュースしたアートイベント「Masterclass: Tokyo Crafts」が10月29日にロンドンで開催されました。その舞台となったV&Aと、江戸東京きらりプロジェクトによる取り組みについて、3回にわたってご紹介したいと思います。

アートイベント「Masterclass: Tokyo Crafts」は、レクチャーとワークショップの二部構成として、参加者の方々には1日を通して、「江戸東京きらりプロジェクト」の「東京の宝物」の魅力・「モデル事業者」の伝統ある匠の技を体験していただきました。

第2回目のレポートでは、レクチャーパートを中心にご紹介していきます。 

【中編】東京都江戸東京きらりプロジェクト・英国ヴィクトリア&アルバート博物館共催 アートイベント「Masterclass : Tokyo Crafts」を開催

東京都産業労働局根本浩志次長は、東京都で「Old meets New~伝統と革新」をコンセプトに「東京の宝物」に磨きをかけ、その価値と魅力を世界に発信している「江戸東京きらりプロジェクト」を推進していることのPRや、プロジェクトに参画している28の「モデル事業者」の紹介、多彩な魅力的な都市である東京にお越しいただきたいとのメッセージを送るとともに、今回のV&Aと共催でイベントができたことへの感謝を伝えました。

【中編】東京都江戸東京きらりプロジェクト・英国ヴィクトリア&アルバート博物館共催 アートイベント「Masterclass : Tokyo Crafts」を開催

私が担当したレクチャーでは、東京の伝統産業事業者の匠の技とのコラボレーションを中心に「江戸東京きらりプロジェクト」の取り組みを紹介しました。

【中編】東京都江戸東京きらりプロジェクト・英国ヴィクトリア&アルバート博物館共催 アートイベント「Masterclass : Tokyo Crafts」を開催

ここからは、私のレクチャーを抜粋して紹介したいと思います。

冒頭では、「きらり」が「美しく光り輝く様子」を表す言葉であること、本プロジェクトのコンセプトは“Old meets New”であり、匠の技を有する事業者とともに、新しい視点から東京の伝統ある技、産品を磨き上げる活動を行なっていることを伝えました。

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続けて、現在プロジェクトに選定されている28事業者を紹介し、今回参加した3つの事業者については、参加者がワークショップをより楽しめるように、各事業者の技が私とのコラボレーション作品にどのように取り入れられているかについても解説しました。

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・伊勢半本店の小町紅(玉虫色に輝くヒールレスシューズと疱瘡絵の染料に)
・龍工房の組紐(ヒールレスシューズの素材に)
・高橋工房の彫摺技術(疱瘡絵と「雷雲」をモチーフにした木版画に)

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レクチャーの時間は1時間ほどでしたが、日本の匠の技が代々受け継がれているだけでなく、今現在も革新を続けている点をとくに強調してお話ししました。

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レクチャーパート最後のQ&Aコーナーでは、多くの方に積極的に質問していただきました。
中でも印象的だったのが、「江戸東京きらりプロジェクトの取り組みを通して、都民のみなさまの伝統産業への意識はどのように変わってきましたか」という質問でした。
私たちが展開する江戸東京きらりプロジェクトの活動の本質は、様々な側面から伝統産業の魅力を描き出すことにあります。そのためには、現代アートや工芸とのコラボレーションというアプローチであったり、現代のライフスタイルに合った提案をすることがとても重要になります。現代においても、伝統工芸や伝統産業の本来の価値や品格を、新たな魅力として再定義し、継続的に発信することが魅力の認知に繋がると私は考えています。

【中編】東京都江戸東京きらりプロジェクト・英国ヴィクトリア&アルバート博物館共催 アートイベント「Masterclass : Tokyo Crafts」を開催

V&Aにも収蔵されているコラボレーション作品は、アートイベントの中でもとくに注目を集めていました。このように現代アートとのコラボレーションという新たなアプローチで、伝統に新しい価値が吹き込まれた「東京の宝物」を、東京の伝統産業の魅力として海外で発信することも、今回のプロジェクトの大きな目的のひとつでもありました。

Photo by GION
©︎Edo Tokyo Kirari Project and Victoria and Albert Museum, London