英国ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館と東京都・江戸東京きらりプロジェクトが共催するアートイベント「Masterclass: Tokyo Crafts」
2022.10.07
LIFE江戸東京の伝統ある技や老舗の産品といった「東京の宝物」に磨きをかけ、その価値と魅力を世界に発信する「江戸東京きらりプロジェクト」の参加事業者の職人等や、現代美術家の舘鼻則孝が出演します。
英国ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館と東京都「江戸東京きらりプロジェクト」が共催するアートイベント「Masterclass: Tokyo Crafts」が、2022年10月29日に開催されます。
本アートイベントでは、「江戸東京きらりプロジェクト」の推進委員でもある現代美術家の舘鼻則孝と、同プロジェクト事業者の《小町紅 伊勢半本店》《東京くみひも 龍工房》《江戸木版画 高橋工房》の3事業者を中心に、舘鼻則孝とのコラボレーション作品の展示、職人等による匠の技のデモンストレーションや来訪者が参加可能なワークショップを実施します。
■開催概要について
タイトル Masterclass: Tokyo Crafts
主 催 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館
共 催 東京都・江戸東京きらりプロジェクト
開催日程 2022年10月29日(土)
開催時間 10:30〜17:00(英国時間)
会 場 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館
住 所 V&A South Kensington, Cromwell Road, London, SW7 2RL
参加費用 一般:45 英ポンド、26歳以下:22 英ポンド
■参加申し込みについて
ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館オフィシャルウェブサイト
https://www.vam.ac.uk/event/pWQ6Kg22aZ/masterclass-tokyo-craft-oct-2022
■出演者について
現代美術家 舘鼻 則孝(たてはな のりたか)
1985年、東京都生まれ。東京藝術大学美術学部工芸科染織専攻卒。卒業制作として発表したヒールレスシューズは、花魁の高下駄から着想を得た作品として、レディー・ガガが愛用していることでも知られている。現在は現代美術家として、国内外の展覧会へ参加する他、伝統工芸士との創作活動にも精力的に取り組んでいる。作品は、ニューヨークのメトロポリタン美術館やロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館などに永久収蔵されている。
©︎NORITAKA TATEHANA K.K., Photo by GION
小町紅 伊勢半本店(こまちべに・いせはんほんてん)
1825年に紅を製造・販売する紅屋として創業。門外不出とされた秘伝の製法から作られる玉虫色の紅は、世界で唯一、江戸時代の製法そのままに作り続けられている。また、「紅ミュージアム」を運営し、最後の紅屋の使命として、紅の歴史・習俗・日本の化粧史の紹介等を通じて、紅の文化を後世に繋ぐ活動を行なっている。
©︎Edo Tokyo Kirari Project, Photo by GION
東京くみひも 龍工房(とうきょうくみひも・りゅうこうぼう)
1963年に創業以来、組紐にあった糸づくり、染色・デザイン・組みまでを一貫して行なう都内で唯一の工房。伝統的な組紐だけでなく、先代から受け継がれてきた技術とノウハウから組紐を進化させ、2019年に日本で開催されたラグビーワールドカップでは、メダルリボン・参加記念敷布を、耐久性と伸縮性を重視した純国産シルクの組布で製作した。
©︎Edo Tokyo Kirari Project, Photo by GION
江戸木版画 高橋工房(えどもくはんが・たかはしこうぼう)
安政年間(1854年~1860年)に創立し、現在に至るまで伝統の木版画の制作を続けている。江戸木版画は、「絵師」「彫師」そして色ごとに色を摺り重ねる「摺師」の3者の分業で作品を作り上げていく。高橋工房は、170年前の初代から摺師を継承し、現在は3者をプロデュースする「版元」も兼ねている。
©︎Edo Tokyo Kirari Project
■コラボレーション作品の展示について
《舘鼻則孝 × 小町紅 伊勢半本店》
玉虫色に発色する紅で染め上げられた舘鼻則孝の代表作「ヒールレスシューズ」。
©︎NORITAKA TATEHANA K.K., Photo by GION
《舘鼻則孝 × 東京くみひも 龍工房》
本作のために考案された手法で組まれた組紐と結び目が特徴の「ヒールレスシューズ」。
©︎NORITAKA TATEHANA K.K., Photo by GION
《舘鼻則孝 × 江戸木版画 高橋工房》
伊勢半本店の紅を背景色に用いて摺り上げられた木版画。
©︎NORITAKA TATEHANA K.K., Photo by GION
■ワークショップについて
《デモンストレーション》現代美術家 舘鼻則孝によるヒールレスシューズの紅染め実演
伊勢半本店の生紅(なまべに)と呼ばれる紅花から生成された染料を用いた、紅染めのデモンストレーションを行ないます。革に染め付けられた赤い染料が定着すると同時に玉虫色に発色する瞬間をご覧いただけます。
©︎NORITAKA TATEHANA K.K., Photo by GION
《ワークショップ》小町紅 伊勢半本店による玉虫色に発色する紅の筆書きお守り制作
伊勢半本店の玉虫色に発色する紅の筆書きお守り制作をします。黒い紙に紅でご自身のお名前などを筆書きしていただき、紙に包むことでお守りを制作します。赤い紅が玉虫色に変化する瞬間をご覧いただけます。
©︎Edo Tokyo Kirari Project
《ワークショップ》東京くみひも 龍工房による丸台を用いた組紐制作と指で組む組紐制作
組紐の原点とも言える指で組む組紐体験をします。両手の指に掛けた紐を正確に交差させることで、組紐が組み上がると同時に文様が現れます。江戸東京の組紐の特徴でもある丸台を用いた組紐のデモンストレーションもご覧いただけます。
©︎Edo Tokyo Kirari Project
《ワークショップ》江戸木版画 高橋工房による木版画制作
葛飾北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」や、縁起が良いとされ魔除けの意味をもつ「金魚」を摺る木版画体験をします。バレンと呼ばれる摺具を用いて制作する本格的な木版画です。完成した木版画は、団扇に貼り付けたり額装して展示することも可能です。
©︎Edo Tokyo Kirari Project
※各ワークショップでの制作物は、お持ち帰りいただけます。
■ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館について
英国の国⽴博物館であるヴィクトリア・アンド・アルバート博物館は、世界をリードする芸術とデザインの博物館であり、5000年以上にわたる⼈類の創造性を⽰す280万点を超える作品、文献、関連資料が収蔵されています。館内では、建築、彫刻、絵画、写真、版画、家具、ファッション、テキスタイル、金工、ジュエリー、陶芸、ガラス、演劇、パフォーマンスの分野において、世界最高峰の作品資料を展示しています。コレクションの内容は多様で、世界的に知られるアジア美術とデザインのコレクションには日本の美術とデザインも含まれています。
■江戸東京きらりプロジェクトについて
本プロジェクトは、江戸東京の伝統ある技や老舗の産品といった「東京の宝物」に磨きをかけ、その価値と魅力を世界に発信するプロジェクトです。
本プロジェクトは、“Old meets New”をコンセプトに、伝統的な匠の技の中から新たな取組に果敢に挑戦する「モデル事業者」を「衣・食・住」の各分野から選りすぐり、新しい視点から江戸東京の伝統ある技、産品を磨き上げることでその価値を高める取組と、SNSや国内外でのプロモーション等を通じてその魅力を発信する取組を行なっています。これらの取組を通じて、東京の伝統ある産業の魅力向上と持続的発展、技の継承を目指していきます。