【伊勢半本店】
小町紅と九谷焼の共演 うるわしの伝統工芸に触れる作品展へようこそ
2023.09.11
FASHION粋な江戸の女性たちの憧れの的だった、希少な紅花から作られる伝統的な口紅「小町紅」。
文政8年に日本橋・小舟町で創業した「伊勢半本店」は、江戸時代から残るたった一軒の“紅屋”として、当時の製法そのままに昔ながらの「紅」の伝統を守り続けています。
口伝えで受け継がれてきた製法で、丹精込めて仕上げられる小町紅は玉虫色に輝き、水を含ませた筆で溶くとたちまち鮮やかな赤色があらわれます。なぜ玉虫色に輝くのかは創業から200年近く経つ今も謎のまま。「紅ミュージアム」では、そんな紅の不思議や輝きに触れられる場として、創業時から受け継いできた紅づくりの技や化粧の歴史、文化の移り変わりを数々の資料とともに公開しています。
伊勢半本店はこうした紅の歴史を後世に伝えるにとどまらず、日本各地の伝統的な技術を伝える活動にも尽力しています。紅ミュージアム内の「手仕事ギャラリー」もそのひとつ。日本の伝統工芸を中心に、伝統の技を未来へ残そうとする活動や、途絶えた伝統技法の復元に尽力する取り組みを、作品とともに紹介する企画展示を随時開催しています。
手前から時計周りに 小町紅 華霞(紫)、小町紅 白華蝶、小町紅 華霞(青)
現在開催中の『5colors―うるわしの九谷焼作家たち―』では、石川県が誇る伝統的な色絵磁器「九谷焼」の伝統を守りつつも、新たな表現に挑戦する気鋭の作家たちを紹介。五彩(緑・黄・紫・紺青・赤)や伝統的な技法を礎としながら、それぞれの作家の感性が色濃く映し出された個性あふれる作品を展示・販売しています。
また、今回の企画展に合わせて、伊勢半本店と各作家がコラボレーションした小町紅の器も販売しています。透明感のある白磁をベースに、蝶や小花を模したグラフィカルな紋様のもの、奥行きのある青の世界観を描き出したもの、幾種類の鮮やかな花々が浮かび上がるもの…。それぞれの作家の思いや独創的な技法が投影された“一点もの”の紅器に、玉虫色に輝く小町紅を刷いた特別な仕様になっています。
日本を代表する磁器である九谷焼と、江戸から変わらぬ製法で受け継がれている小町紅。作家や職人たちの強い意志や丁寧な仕事により、現代まで愛されてきた名品に触れることで、日本の伝統工芸の奥深さ、そして可能性を肌で感じることができるはずです。
【開催概要】
会 期:2023年9月5日(火)~10月14日(土)
展示作家
前期 9月5日(火)~9月23日(土) 西野美香 早助千晴
後期 9月26日(火)~10月14日(土) 相川志保 河田里美 関あづさ
開館時間:10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日 :日・月曜日
観覧料 :無料
トークイベントや絵付け体験講座も開催。
残席わずかとなっております。
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