FYSKY

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履く人の生活に寄り添う、心地よい革靴を目指して

FYSKYは、ミシンが発明される以前から受け継がれてきた手作業による伝統技法、ハンドソーンウェルテッド製法によってオーダーメイドの革靴を手がける靴店だ。代表の井出洋輔さんの靴作りの出発点は、20代のころに遡る。東京の靴の産地・浅草で、手作りの靴教室に通い始めたのがきっかけだ。当初は趣味として始めた靴作りだったが、一筋縄ではいかない工程の奥深さに引き込まれていった。やがて革製品を扱うメーカーやブランドから、外注製作(OEM)の仕事が舞い込むようになる。多岐に渡るデザインや履き心地の要求に応えるうちに腕は磨かれ、革問屋などとの付き合いも広がり、靴作りに対する知見が蓄積されていった。裏方として12年以上革靴職人としての経歴を重ね、2022年には法人化を果たし、同時に自社ブランドも設立。ブランド名には“世界に一足だけの革靴が顧客の身体やライフスタイルに「Fit You」し、空(SKY)を軽やかに歩くような履き心地をかなえることで、長い時を刻んでいきますように”という思いが込められている。“Fit You as if you walk in the Sky”(まるで空を歩いているような心地よさを)――顧客の身体だけではなく、ライフスタイルにもフィットするプロダクトをとの想いを込めて、ブランド名と社名をともに「FYSKY」とした。

アトリエ兼店舗であるビルの扉を開けると、カウンターには紐靴やローファー、ブーツなどオーセンティックなモデルのサンプルと革の見本が並ぶ。このカウンターで、井出さんは顧客と一対一でじっくり話を聞く。どんなシーンで靴を履くのか、なぜFYSKYを選んだのかなど、ライフスタイルを含めた話をしながら自分だけの一足を求めて来店する人と一緒に靴を作り上げていく。革見本も膨大な数があるが、そうしたコミュニケーションを通して顧客のこだわりや個性、性格を理解していくことで、おのずと革の種類は決まっていく。たとえば毎日ブラッシングするのが億劫だという人には、比較的耐久性のある革を提案する。顧客の顔を思い浮かべながら心を込めて縫い上げられた靴は、初めて履いた瞬間からソールが吸い付くように足に馴染む。修理しながら大事に履けば一生ものとなるだろう。

こうして履く人の生活に寄り添う靴づくりを追求するだけでなく、「仕入れた皮革を極力無駄なくプロダクトに使い切る」との思いから、革の端材を再利用した革小物シリーズ「lllast」を立ち上げた。SDGsへの取り組みに留まらず、日本の職人文化やものづくりを未来へと紡ぐためにも、国内生産と手作業にこだわっているのだ。大量生産ではない一点物の価値を大切に、革産業全体の活性化を目指すFYSKYの挑戦は続く。

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